文部科学省所管独立行政法人日本学術振興会科学研究費補助事業(基盤研究()(1) 20022005)概要報告(2003年)

「男女共同参画社会を支える地域子育て支援ネットワークに関する学際的基礎研究」(課題番号14310123

 

子育て支援に関する共同研究プロジェクト

 

代表      村山 祐一(帝京大学教授)         石野 陽子(島根大学講師)    

        大宮 勇雄(福島大学教授)           奥野 隆一鳥取大学教授)      

        神谷 哲司(鳥取大学准教授)         神田 直子愛知県立大学教授)    

        逆井 直紀(保育研究所主任研究員)   諏訪 きぬ(明星大学教授)      

        戸田 有一(大阪教育大学准教授)    望月彰  (大阪府立大学教授)

        山本 理絵(愛知県立大学准教授)     渡邊 保博(静岡大学教授

                                                          (20111027日更新)

 

 

1.共同研究プロジェクトの主旨

 私たち「子育て支援に関する共同研究プロジェクト」(代表:村山祐一・帝京大学教授)では、保育の現場の実態や、保育者・父母の要望や生活状況を把握し、保育施設の状況、保育者および父親・母親の子育て意識を総合的に検証するために、「保育に関する意識調査」を文部科学省科学研究費助成事業として全国規模で実施することとなりました。

 

2.調査研究の方法

 本研究では、全国の保育園・幼稚園(以下、園)から統計の方法によって無作為に選出した園を対象に、そこで勤務している保育者およびそこを利用している父親・母親等に書面アンケート形式で記入していただき、その集計結果を研究資料として活用させていただきます。この調査は、平成15年にも同様の形式で調査を行い。今回が2回目の調査となります。

ここで行う調査は無記名であり、ご回答はすべて統計的に処理しますので、記入者ご自身やお勤め先・ご利用先の園のお名前などが外部に出たりするようなことはありません。

 

3.調査結果の活用および公表

 本調査の結果は、実際に保育の現場に携わる保育者の方々や子育てに直接関わる父親、母親の皆様からの意見を含め、今後の日本の保育施策の貴重な基礎資料として積極的に活用いたします。学会発表の他、マスメディアにも公表し、本ホームページでもひろく一般に公開していく所存です。なお、前回の調査(2003年)については.日本海新聞「子育て支援の今ー保育子育て意識全国3万人調査から 上・中・下」(200631315日号掲載)、すべての調査データと結果の概要をまとめた「保育子育てに関する全国調査」については、『教育アンケート調査年鑑 2007年版 上』(創育社 20076月刊)に紹介されています。 また共同研究者の連名で、日本保育学会では何度か発表し、日本発達心理学会、日本家族心理学会でも研究発表を行いました。さらにスタフ全員の共同執筆で「日本の子育て実態と子育て支援の課題−村山科研『保育・子育て全国3万人調査』の概要」(保育研究所編『保育情報』20063月号〜2007年9月号の間に14回連載)を公表しました。            

 

4.調査実施機関

 調査の実施は、世論調査・統計調査の専門機関である社団法人中央調査社< http://www.crs.or.jp/ >に委託いたしました。

 

5.調査票の配付・回収と返送の手順

(1)調査の対象について

A.施設調査園長、施設長など、園の実態をよく把握している立場の方。

B.保育者調査:正規職員・非正規職員かを問わず、園において、実際に保育の現場を担当していらっしゃる保育士の方全員

※ 事務専任や給食専任など、実際に保育を担当していない職員の方は対象外です。

C.保護者調査:園を利用している児童のお父様とお母様両方が対象です。

※ 保護者調査は、一部の園で実施いたします。

※ 母親用・父親用調査用紙が角封筒にセットしてあります。母子のみ・父子のみの世帯にも、

片方を抜き取ったりせずにセットのまま配付・回収します。

※ 兄弟姉妹で園に通われている世帯には、最も年下のお子さんを通じて、配付・回収をお願いしています。

D.自治体調査:調査をお願いしている園のある自治体が対象です。この調査では、該当する市町村の子育て支援の

施策の状況についてお聞きします。

 

(2)回収締切日の設定

 施設調査、保育者調査、保護者調査それぞれの、回収された調査用紙(対象者が封筒に密封してきた状態のまま。開封や点検はしない)を、一括して(社)中央調査社あてに、所定の期日までご返送していただきます。園のご都合により、多少変更する場合もありえます。

 上記の返送日に間に合うように、保育者・保護者の園内の回収締切日を設定していただきます。

 

(3)調査票の配付・回収

A.施設調査、B.保育者調査、C.保護者調査に共通:

・封筒に入ったままの状態で配付し、密封された状態で回収します。

・なるべく多くの方から回収できるよう、お声かけをお願いしています。

・いずれの調査も「回答したくない質問には回答しなくて結構です」としていますので、

プライバシー保護のため、回収ご担当者の方が返送された調査票を開封したり、記入状況の

点検をしたりといったことは、絶対にしないことにしています。

・配付する調査票が余った場合は、破棄をお願いしています。

 

 

 

6.調査結果

 

★ 集計結果は、『月刊保育情報』に352以降14回連載

★ 論考を『発達』(ミネルヴァ書房)114vol.2920084月)の特集として発表

(さらに詳細な結果をご希望の園の方は、ご連絡願います)

 

 

★調査結果概要 (PDFファイルです。)

 

保育園調査  ★幼稚園調査  ★保育者調査

 

 

 

 

7.共同研究の継承

私たち「子育て支援に関する共同研究プロジェクト」は、本研究を継続し、2007年度から2010年度の4年間、第2次村山科研として「格差社会における子育て支援ネットワークのあり方と保育者の役割に関する総合的研究」(課題番号19330179(代表:村山祐一・帝京大学教授)に取り組みました。ここでは、上記の「全国3万人調査」から5年後の2009年に経年調査を行うとともに、「格差社会」に視点を当てて対象者の経済状態などに関する調査内容を充実させ、対応策として期待される子育て支援ネットワークのあり方と、その拠点施設となる保育所・幼稚園における保育者の役割に関して課題と可能性を明らかにしました。その成果は、日本保育学会等で発表しました。また、共同研究プロジェクトの一環として、「格差社会における自治体の子育て支援施策に関する多分野横断型研究」(課題番号20653034、研究代表者:望月彰)などの関連共同研究活動を展開しています。今後さらに、本研究を若手研究者に継承しつつ保育・子育て支援の発展に寄与したいと考えています。