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卒業生へのインタビュー

PHAM THI PHUONG THANHさん 就職先 スタンレー電気株式会社  

1.現在担当している業務について教えてください。

スタンレー電気株式会社に就職して2年目となり、現在は国内特許及び国内外の商標の出願業務に携わっています。特許の業務では発明の発掘から出願、拒絶対応に至るまでを行い、商標の業務では調査や出願などを行っています。

特許出願には技術の基礎知識が必要で、発明者にヒアリングをしながら発明内容を理解しています。そのため通常の業務より時間がかかり、複雑な案件の場合は2~3倍の時間がかかることがあります。最初は慣れていないことばかりなので、速度よりも正確性、理解度を重視したほうがいいと考え、ひとつずつしっかりと理解をして取り組むことを常に意識しながら業務に取り組んでいます。

 2.現在の就職先に決めた理由や魅力について教えてください。

3つの理由があります。1つ目は「自動車または自動車部品メーカー」であることです。私はベトナムにいたときから、世界レベルで高い評価を受けている日本の自動車や自動車部品メーカーに憧れがあったので、そのような技術を持つ会社で働きたいと考えていました。

2つ目は「外国人社員が多く、海外拠点を有し、グローバル化をすすめている企業」であることです。私自身、長期的にグローバルな環境で仕事がしたいと考えており、私の考え方とマッチする企業を選びました。

そして、3つ目は「社風」です。例えば、私は就職活動中に、会社説明会や面接選考で積極的に応募先の社員の方々と会話したり、外国人留学生として「知的財産を専門領域」に研究を続けてきたことを積極的に発信したりしました。なぜなら、そこで社員の方々がどのような反応や対応をするのかによって、その企業の考え方や社風がわかると思ったからです。

コミュニケーションを通して、応募先の企業に外国人を本当に受け入れる姿勢(気持ち)があるのか、また外国人がどのように貢献できると考えているかが明確になり企業を選ぶことができました。そうしたなか、当社の人事の方々は真剣に私の話を聞き、さらに入社後私の専門領域の研究をいかせる担当業務があることまで教えてくれました。外国人留学生を受け入れようとする姿勢があることや、仕事を任せてくれそうだと感じたことが就職先として決めたポイントです。

3.現在の就職先をおすすめしたい点について教えてください。

私が皆さんにスタンレーをおすすめしたい点が2点あります。1つ目は常に「チャレンジ精神をもって仕事をしよう!」という社長の考えのもと、経験や知識が未熟な社員であっても、自分がやりたいことや意見を自由に言える環境があることです。これで職場環境がよくわかると思います。

2つ目はグローバル化が進んでおり、外国人が受け入れられていること、また将来はキャリアを積むために、日本国内にとどまらず、日本と出身国以外の第三国でも仕事ができるチャンスを与えてくれるということです。

4.学生時代に心がけてきたこと、もっとやっておけばよかったと思うことについて教えてください。

私の場合は「英語」と「自己分析」です。特に「英語」はこれからどのような仕事でも必要になると思います。学生時代の時間があるうちに英会話などにもっと挑戦すべきだったと実感しています。また「自己分析」について自らの長所や短所、自分が社会に出てやりたいことをできるだけ早い段階から考えておくことが大事だったと思います。

私は大学院1年次の11月頃から就職活動の準備を始めましたが、それでは遅いと思いました。日本の就職活動は母国と違い特殊で、自らの長所や将来社会人になって何がしたいのか、どのような仕事場でどのような業務に挑戦したいのかをアピールすることが重要です。そのため、私は入学直後から少しずつ友人や先輩、教職員の方々との交流を通して情報収集をしたり、自分の希望や考え方などを伝えてアドバイスをもらったりしてきました。はじめから何でもできるわけではないと思いますが、何度もくり返すうちに効率的に情報収集をすることができるようになります。

5.これからの抱負、将来設計(キャリアプラン)について教えてください。

私は将来日本国内の業務に留まらず、海外の業務にも挑戦したいという思いがあります。具体的には5~10年後にアメリカの特許出願業務を担当できる人材になることを目指しています。そのためには単に日常会話だけでなく、専門用語を理解する英語力をはじめ、アメリカの法制度や特許出願に係る知識が求められるため、日々経験を積みながら勉強を続けています。

 6.これから日本での就職を希望する後輩学生にアドバイス、コメントをお願いします。

私が伝えたいことは2つあります。1つは「自己分析」です。自己分析で、自らの長所や短所、社会に出てやりたいこと、仕事に対して自分の求めることをできるだけ早く明確にしてください。自分のやりたいことを明確にすればするほど、自分の望みとマッチングする仕事が見つけやすくなります。

また、入社後はきっと社会人との大きなギャップ(考え方の違い)を感じると思います。その時、「この職場にいることは理由がある」、「ここでやりたいことがある」と仕事先を決めた理由を振り返れば、ギャップを乗り越えることができると思います。母国とは違う文化や考え方、異なる言語で仕事や生活をする中では、慣れないことにたくさん出会うと思います。そうした状況に陥ったとき、簡単に諦めて仕事を辞め、帰国するのではなく、自分の周りには自分とは違う、まだまだ知らない色々な考え方があるということを理解し、受け入れることが大切だと思います。また、そのギャップを受け入れたときに、さらに成長ができると思います。